合戦での兵器の戦略利用(1)

  • 2010/01/24(日) 15:10:19

 以前、兵器の初心者向けに「兵器の知識講座(http://shinrei.dtiblog.com/blog-entry-297.html)」という記事を書きましたが、今回は、中級編として、兵器の戦略運用の考え方を書いていきたいと思います。

 第1回の今回は、最も基本となる投石車の戦略運用について、戦術的な特徴を押さえることで、戦略的な有効活動を行う方法を考えてみたいと思います(2010年1月現在の仕様をベースに書いています)。


 まず、基本の考え方は、投石車は戦車ではないということですね。

 投石車に対する考え方の最も間違いやすい点は、現代戦車のように扱おうとして、失敗するということです。

 まず、現代戦における戦車の有効性は、砲撃の威力ではなく、鋼鉄のボディによる高い防御力と、キャタピラと大型のエンジンによる踏破性能の高さが重要です。
 つまり、第2次世界大戦頃のような機動戦車隊による電撃作戦のような戦い方は、その移動力と防御力があって成り立っているものです。

 しかし、投石車は、攻撃力は高いものの、移動力は、歩くより遙かに遅く、障害物を乗り越えることも出来ません。防御力に至っては、接敵されれば、自らではどうしようもないという頼りないものです。

 これでは、戦車のような考えで作戦を立てても、失敗するのは、当然でしょう。


 では、どういうイメージを投石車に持てばいいのでしょうか。

 ここで、考えるべきは、移動しながら撃てない点と、準備に少し時間がかかる(カメラ調整、砲撃範囲の微調整なども含む)点でしょう。
 こう考えると、現代戦に置き換えれば、投石車は、「歩兵が分解して運んで、前線の少し後方の要点に設置する迫撃砲」とイメージするのがいいでしょうね。


 もうおわかりかと思いますが、前線に味方と一緒にいて敵の集合ポイントを攻撃するようなイメージではなく、やや控えめに予め配置しておき、突撃してきた敵を、狭いポイントなどで迎撃するような運用が理想となるのです。



 投石車に戦線の押し上げを行うように気軽にいう人がいますが、それは、あまり有効な使い方ではなく、下策だということを認識すれば、現在のコーエーによる最低な兵器の仕様でも、他の兵器や連合との連携の問題もありますが、投石車が作戦の要として活躍できるようになるでしょう。


 この使い方ができるようになれば、レベルの低い数人の集団で、大活躍することも可能なので、少数勢力は、兵器の有効活用をご検討ください。

 さらに、人数差が合戦の全てを決めるような仕様になりつつある現在、兵器の有効活用を支援するような仕様変更があれば、合戦もおもしろさが増すと思いますので、コーエーに兵器の仕様、上方修正を要望しつづけたいですね。





孫子の兵法の応用1

  • 2009/01/02(金) 01:45:12

 新年ということで、新しいテーマを持った記事を、数回にわけて書いていきたいと思います。

 タイトル孫子の兵法の応用です。

 学問的な孫子の兵法書の理論解説とかは、簡略化して、現代戦略論とか、ゲーム理論とか、そういった高度なものも一切省略して、孫子の兵法書に書かれた内容から、三國志オンラインの合戦に使えるかもしれないなーという内容を勉強していきたいというものです。


 わたしも孫子の兵法書を熟読しているわけではないので、スタンスとしては、改めて、孫子の兵法書を見ながら、応用できるところを探していこうという感覚ですね。


 まず、孫子の兵法書の基礎知識から。

 もともと、孫子というのは、孫武という、三國志の呉の孫家の祖が書いたとされている兵法書で、現代戦術の基礎のひとつとなった古い書物です。

 実は、後世に書かれたものではないかと、その実在は疑われていたのですが、「孫臏兵法(そんぴんへいほう)」という竹簡が1972年に発見され、孫子の兵法書が、孫武の著書であることが証明されました(この辺は、古い話でもあり、多数の異説・学説もあるので、興味のある方は調べてみてくださいね)。

 現代に伝わるのは、孫子の兵法書そのものではなく、実は、三國志演技などを知ってる方にはおなじみの曹操の著書「孟徳新書」のことです。
 孟徳新書は、演技では自ら破り捨てられたというストーリーになっていますが、史実では、そんなことではなく、これは、曹操の書いた孫子の注釈版のことであり、もともと五十数編あった孫子の兵法書を現在残る十三篇に編纂したのは、曹操だということになっています(元の形は、基本的に竹簡が発掘されているというレベルなので、完全な書物というのは、実は今のところわからないんですね)。

 
 もう、あまりにも古すぎて、発掘がどうのこうの〜という難しい話ですし、基礎知識は、この辺でやめておきましょう


 現在の日本で知ることができるものも、基本的に十三編にまとめられた孫子の兵法書ですし、これを元に、三國志オンラインでの合戦に応用できないかと考えていきたいと思います。

総説 一 計篇

 この編は、「勝算はどちらにあるか」という戦いに望む前の戦況分析方法が書かれています。


 孫子曰わく、
 兵とは国の大事なり。死生の地、存亡の道、察せざるべからざるなり。
 故にこれを経るに五事を以てし、これを校ぶるに計を以てして、其の状を索む。
 一に曰わく道、二に曰わく天、三に曰わく地、四に曰わく将、五に曰わく法なり。
 道とは、民をして上と意を同うし、これと死すべくこれと生くべくして、危わざらしむるなり。
 天とは、陰陽・寒暑・時制なり、順逆・兵勝なり。
 地とは、高下・広狭・遠近・険易・死生なり。
 将とは、智・信・仁・勇・厳なり。法とは、曲制・官道・主用なり。
 凡そ此の五者は、将は聞かざることなきも、これを知る者は勝ち、知らざる者は勝たず。
 故に、これを校ぶるにするに計を以てして、其の情を索む。
 曰わく、主 孰れか賢なる、将 孰れか能なる、天地 孰れか得たる、法令 孰れか行なわる、兵衆 孰れか強き、士卒 孰れか練いたる、賞罰 孰れか明らかなると。
 吾、これを以て勝負を知る。


 将 吾が計を聴くときは、これを用うれば必ず勝つ、これを留めん。将、吾が計を聴かざるときは、これを用うれば、必ず敗る、これを去らん。
 計、利として以て聴かるれば、乃ちこれが勢を為して、以て其の外を佐く。勢とは利に因りて権を制するなり。


 簡単にいうと、5種類の方法で戦力差を計り、無謀な戦いはしないということ。 

 その五種類とは、道、天、地、将、法

 は、その戦闘は、民衆の意思と同化したものであるのか。つまりは、リーダーが民衆の支持を得られる賢明さをもっているのか。

 は、いわいる天の利ってことで、戦闘を行う上で、天候、気温、四季という自然現象から、陰陽や天に対して間違ってないということまでを含み、この点で有利であるかどうか。

 は、地の利ですね。地形の高低差、国土・戦場などの広狭差、距離の遠近、地形の険しさと平坦さ、軍を敗北させる地勢と生存させる地勢など。つまりは、相手の地形とこちらの地形の有利さを判断するということ。

 は、軍を直接指揮する将たちの実力差ですね。その実力とは、物事を明察できる智力、部下の信頼、部下を思いやる仁慈の心、困難にくじけない勇気、軍隊を維持する厳格さなどのこと。

 は、軍を統率する軍法、監督する官吏の職権の軍法、君主と各将軍の間の指揮権の軍法などの規則のことで、相手より、しっかり統率するルールが決められているかどうかということ。


 三國志オンラインに置き換えると、合戦自体は、自動で戦闘が起こるため、実際の合戦場での考え方に置き換えるとわかりやすいでしょう。

 大連合などがあるとき、もしくは、合戦全体を統括する人がいるときは、そのリーダーを君主と考えられますし、徒党で動くなら、党首がリーダーと考えていいですね。

 民衆は、兵士になる配下のことでもあるので、この場合、各党員が当てはまります。


 は、普段からそのリーダーが、各党員と意思疎通を図れているか、それともほとんど知らない人ばかりの構成なのか。

 相手に関しては想像するしかないのですが、合戦場でこれから攻撃しようと考えている敵が有名部曲などで固まって動いているときは、相手は道が優れているといえるでしょうし、しばらく戦闘して、なんかバラバラだなと思ったなら、相手は道があまり高くないと判断できますね。
 対して、自分たちの連合や徒党のメンバー構成が、普段から部曲戦などをやっていたり、合戦で何度も組んでるメンバーなら、道に優れているといえ、そうではないなら、道に劣っていると考えましょう。

 なお、相対的にどうなのかが重要なので、こちらが劣っていたら、即座に全てダメというものではありません。あくまでも、敵を前にしたとき、その敵に戦闘をしかけるのか、それとも引くのか、その判断基準のひとつといえますね。


 次に。三國志オンラインだと、気候他要素による有利不利はありません。
 大きく考えるなら、たとえば「今日は平日だし、相手のログイン率が多いかな」とか、そんな感じです。
 合戦場レベルで考えるなら、平日では、相手の連合にいつものメンバーが揃ってない可能性があるかな、という予測が立つぐらいでしょうね。それは、道の判断基準に加えられるかもしれません。

 また、合戦では復活でき、そのタイムが戦況によって変化するので、その復活までの時間が天に含まれるでしょう。これは、後述の地にも関係しますが、復活ポイントとの距離によっても時間がかわるので、この後、増援が敵に来そうなタイミングだと不利。逆に味方の増援が期待できるなら、有利と判断できますね。

 さらに局地的にいえば、城門・関門からの一斉突撃の場合、陣形の発動は、一定時間おきなので、余裕があれば、そのタイミングを読むことができますね。
 味方の大集団と別に行動しているなら、味方の後続が期待できるタイミングなら有利、逆に、敵の一斉突撃が可能なタイミングなら不利です。

 ただし、ここまで局地的な判断というのは、難しいので、実戦レベルに活かすのは難しいかもしれませんね。

 簡単に考えるなら、周囲の味方の突撃と連携できてるなら、天に優れていて、単独とか、味方が退却しているようなタイミングなら劣っている。相手は、集団突撃した直後、陣形効果切れて退却中で、その後、後続の突撃が来てないなら天に劣り、そういった隙が見えないなら、天に優れていると判断できるでしょう。


 そして、ですが、マップ単位での分析が重要ですね。マップごとの有利不利や、局地での有利不利をあらかじめ分析しておくと、判断基準となると思います。

 また、三國志オンラインでは、視界が重要な要素となるので、特殊な地形効果のない場所では、相手がよく見える場所が有利ですし、敵から見える場所は不利。
 この場合、山陰などが有利ですが、近辺に敵の偵察兵がいたり、渓谷などで丘の上から見られている可能性のある場所などは、地に劣っていると考えていいでしょう。

 まだ、城や関、味方砦の付近など、味方NPCの付近は、地の利があるといっていいですね。


 を見ると、徒党レベルなら単純に党員の総合・武器レベルやスキル、装備の良さ、合戦への慣れ、操作のうまさなどですね。
 連合単位なら、各党首のうまさ、判断力なども含みます。

 これらも、のとき同様、相手を計るのは難しいですね。
 例えば、伏兵状態のとき、相手のレベルを見てから攻撃を仕掛けるなどはできますが、現実問題としては、相手を一定と考えて、自らの徒党や連合などがどうなのかということで判断するしかないでしょうね。


 最後にですが、三國志オンラインのプレイのルールということではなくて、連合や徒党での決め事ですね。
 徒党だと、集まる時や、攻撃を仕掛けるときのかけ声から、どういうふうに動くのかという打ち合わせが行われているのかということなど。
 連合単位だと、党首と盟主の間での打ち合わせや決め事まで含むでしょう。

 大連合になってくると、さらに重要になってきて、だれの意見で動くのか、その指示には従うのか、戦場で潰滅時の報告義務の有無など、決め事ですね。

 これも、相手のレベルを計るのは難しく、長くやっていて、「魏はしっかり集団で連携して来るよなー」といった感覚で計るしかないでしょうね。


 この5つの要素で、それぞれ相対的に、味方が有利なのか不利なのかを、比べていこうというのが、「総説 一 計篇」の前半のまとめになります。



 この後は、具体的に、優劣を具体的に比較・計量する基準(七計)が書かれていて、こちらも簡単に触れておきましょう。

1.君主はどちらが民心を掌握できる賢明さを備えているか。
2.将軍の能力はどちらが優れているか。
3.天地がもたらす利点はどちらにあるか。
4.軍法や命令はどちらが徹底しているか。
5.兵力数はどちらが強大か。
6.兵士はどちらが軍事訓練に習熟しているか。
7.賞罰はどちらが明確に実行されているか。


 三國志オンラインの合戦におきかえると。

1.リーダーは、どちらが優秀か(部曲戦ならまだしも、合戦では互角と考えましょう)。
2.連合なら党首、徒党なら各党員の能力は、どちらが優秀か(普段から組んでるなら有利、相手が有名部曲などで構成された集団などであれば相手も優秀)。
3.攻撃タイミングや地の利は、どちらが有利か。
4.打ち合わせは、きっちり行えているか(相手のことはわからないので、自分のみ判断)。
5.人数差はどうか(局地的に考えて、周囲の味方が多いかどうかと、味方徒党や連合の戦闘可能人数と、攻撃目標との人数差ですね)。
6.連合や党員が、戦闘になれているかどうか。連携がとれているかどうか(これらも、敵はだいたいでしか判断できないでしょうから、味方のみで)。
7.賞罰……これだけは、三國志オンラインだと、あまり考えなくていいでしょう。


 これを機械的に、一項目ずつ、味方が優れているなら+1、敵が優れているなら−1と判断していけば、局地的な戦闘においても、攻撃すべきなのか、もっと有利な状況となる位置まで後退するのか、リーダーが判断しやすいでしょう。



 最後には、以上を将軍が従うなら留任し、従わなければやめさせること。
 そして、この計算によって利があるときは、勢をもって戦えば勝てる。勢とは、有利な状況を見れば、それにもとづいてその場に適した臨機応変の処置を取ることであると書かれています。


 リーダーが戦いに望むときに判断基準をしっかり持ち、有利なときに戦い、不利なら有利にするように動く。そうすれば勝てるということですね



 以上、かなりわたし独自の解釈をもとに、孫子の兵法書の一の編を、三國志オンラインに応用してみました。
 これから、十三編、ゆっくりと読み進めたいと思います。